読売新聞
昭和24年（1949年）
- 5月29日
- 国鉄総裁に下山運輸次官
- 7月6日
- 下山国鉄総裁消息絶つ 昨朝・三越へ入ったまま／行方不明の謎解けず 堀崎捜査一課長談／人と逢う約束もしていない／安否気遣わる 運輸相談／尾行の形跡はない 大西運転手の話／判断がつかぬ 加賀山副総裁談／車は夕方来た／豪放の反面細い神経
- 7月7日
- 下山国鉄総裁・他殺と認定 犯人の捜査を開始 堀検事正 死後轢断と発表／死体、常磐線北千住綾瀬間で発見／数日中には犯人判明か 樋貝国務相談／車輪に血や毛／昼、夕飯抜き夕刻まで生存／死因判明せず 死体解剖の結果 堀崎課長発表／鈴木副委員長談発表／中闘支部へ黙祷指示／死因の見当つかない 国鉄加賀山副総裁談／政治的暗殺の犠牲 下山氏側近談／既に数回脅迫 総司令部鉄道課長語る／カギは三越地下道 警視庁が捜査に三つの重点／殺害後運ぶ？ 現場に残る裏付二つ／現場に怪自動車 三人の目撃者／加賀山氏の昇格確定的 国鉄総裁後任／「国家非常事態の宣言」 首相、布告準備を完了／国家非常事態とは／気流 法を守ろう／テロを排撃する 下山事件を四氏に聞く 田中耕太郎氏談 高良とみ氏談 豊島与志雄氏談 新居格氏談／迷惑するのは民衆 権力への盲従が最大原因／冷血な暴力をにくむ ゆうべお通夜・故下山氏次男語る／民同派の動き漸く活発 新宿検車区は全員が組合脱退
- 7月8日
- 暴力の世相と下山総裁の死／捜査陣・新事実をつかむ／轢断現場で一万円発見／謎ひめる結婚祝の相手“旧部下”／尾行者から数人下車 三越で有力な聞き込み／代位似血煮の捜査結果発表／若い男女の話声 四十分位前に現場付近で聞く／議事堂横で見た 事件の朝・車内に総裁の風名の男 佐藤元次官の秘書証言／不穏分子の動静把握を指令
- 7月9日
- 社説 議会主義の擁護と非共産陣営の共働／轢断三時間前に絶命 捜査範囲・俄然狭まる／屋内で格闘殴殺 解剖判定／三越付近の足取り明確化 堀崎課長談／凶行は現場付近か 自動車で死体を運ぶ／五人乗の怪自動車 都電浅草橋停留所で目撃／五人の目撃者 現場付近 似た人が旅館でも休息／当駅では見かけず 五反野駅改札掛談／砂の血量、靴の泥を鑑定 現場を再検証／“不吉な前兆” ロンドン・タイムス評／下山氏殴殺確定まで 五つの死因を究明 “出血点”で他殺と見ぬいた監察医／香煙ぬれる下山邸 今日青松寺で告別式
- 7月10日
- 下山国鉄総裁の葬儀に際して 国民に訴う 日本国有鉄道副総裁加賀山之雄／幻の箱型黒塗車 全都の自動車一斉調査／工場、倉庫しらみ潰し 下山氏の遺品捜査に捜検器出動／労組支部へ怪電話 “総裁は自動車事故で死んだ”／蹴上られたショック死 解剖断定／轢断直後、現場を通る 自転車乗りに会った両女／自殺説材料なし 堀崎課長発表／手帳に手掛りなし／旅館関係の証言もあいまい／一般焼香者五千 きのう涙の葬儀／現場で電車に発砲
- 7月11日
- 時評 憲法を暴力から守れ 田中耕太郎／編集手帳／待合を“情報アジト” 下山総裁と知り合いの女将召喚／三越から徒歩十分 しばしば訪客と要談／死体を包んだ？ 天幕と布 西新井現場付近のドブ川から／情報網はあったようだ 小沢郵政相談／吉田首相下山邸弔問／「末広旅館を教えた」 五反野駅改札掛談／車内消灯の自動車を追求 捜査結果発表／金庫の鍵ではない／見世物中に落したパス／下山邸近くに怪しい男／三越行は重要会見 事件以来六日 捜査二課で結論
- 7月12日
- 三越店内に目撃者 下山事件・その夜現場に怪光／堀崎捜査一課長談／進む科学鑑定／純法医学は証明する 他殺は決定的な事実 古畑教授 桑島講師／うつぶせか右向き 引かれた当時の姿勢 実地検証／クツ底の土は残存 きょうから鑑定 土壌検査／麻酔薬はない 毒物検査／怪電話の発信／成田家女将聴取続行／拾い屋持去る 天幕と白ネル／超速の黒塗箱型車 追尾の自動車も…目撃者語る／初七日の法要
- 7月13日
- 国鉄問題の展望 下山事件の影響／ナゾを解く情報に政府から懸賞金 下山事件で一般市民の協力求む 増田官房長官談／「他殺」で積極捜査 検察警察両当局の意見一致／うつ伏せで轢かれた 自殺説消滅に有力な証拠 古畑教授発表／雨の中を徐行 怪自動車にまた目撃者／三越三階にも目撃者 下山氏？と対照的な三人の男／死体を運んだウワサを調査 堀崎課長発表／吉田首相あての脅迫状
- 7月14日
- 編集手帖／法医・鑑識両権威の対談 東京大学医学部薬学教室教授秋谷七郎氏 丸の内署長（元警視庁鑑識課長）野老山幸風氏／意気軒昂の総裁 時計推理だけでも巧妙な犯行／「特別班」を編成 帝銀の峯岸警部補を中心に／きのうの捜査／謎の末広旅館 毛髪二本は同一系統と鑑定されたが 奇怪な女将の言葉
- 7月15日
- 社説 速やかに捜査方針を樹立せよ／今暁現場を再検討 捜査陣同乗・問題の機関車運転／線路にパナマ帽の男 現場付近を荒した窃盗団が話す／自転車に乗った男 “あの晩”さらに二人の目撃者／捜査は行詰らぬ 堀検事正／主人を探したい 三越劇場に大西運転手？／機関車を検証／生体轢断ではない 靴の鑑定結果／首相に経過報告
- 7月16日
- 問題の機関車で深夜・実地検証 死体発見は不可能 同乗記 魔の死角に九往復／下山氏？と怪人物 轢断数分前・現場に新目撃者／投書四百通 堀崎課長発表／賞金は見合せ 樋貝国務省談
- 7月17日
- 社会不安煽る共産党 首相声明 国民の冷静要望／社説 三鷹事件を徹底的に究明せよ／編集手帖／パナマ帽を発見 荒川踏切付近捜査／毒物全然なし 秋谷教授報告／堀崎捜査一課長談
- 7月18日
- 有力な資料握る 成田家の女将も再び召喚 捜査陣俄然活発な動き／パナマ帽も事件とは無関係／東西南北 暴力と文士
- 7月19日
- 国鉄中闘はどうなる 免職者の解釈で対立 ここ両三日の動向がヤマ／社会不安と労働攻勢 労資に望む“政治性” 新聞の社会的責任も重大 吾妻光俊／検察側独自の捜査／三越までの足どり検討
- 7月20日
- 編集手帖／地下鉄内に下山氏？ 二名目撃
- 7月21日
- 社説 警察力の強化を急げ／他殺説またもり返す／精神異常認めず 前日の足どり 警視総監ら証言／昨日の捜査／田中警視総監談／“科学を信ぜぬ者を恐れる” 法医学教室の鑑定書正式に提出
- 7月22日
- 下山事件合同会議 “自殺”断定できず 堀崎捜査一課長が言明／“死後轢断”が捜査の根本 堀検事正談 坂本刑事部長談／日曜に必ず外出 車も敬遠した下山総裁／大西運転手疑点なし
- 7月23日
- 社説 なぜ共産党は騒ぎ立てるか／料亭“川甚”追及 下山氏アジト？／三越の目撃者 四名はほぼ心証／大西運転手運輸省へ
- 7月24日
- 三人の目撃者検討 線路付近で見た下山氏？／死後轢断実験で確認
- 7月25日
- 社説 捜査当局に警告する／感電死後に轢断？ 死因にまた異説
- 7月26日
- 大衆の「勘」に聴く 下山事件は他殺か自殺か／編集手帖／現場の土ではない 下山氏、靴底の泥検出／目撃者はなし 同夜の現場周辺／感電死を否定 法医学教室で
- 7月27日
- 捜査本部は年内存置 時期見て“下山氏自殺”で発表 堀崎課長・署長会議で示唆／自殺断定は暴論 堀検事正 他殺説で捜査続く／全部を公表 三十日法医学懇談会の席上で／自殺説の主な根拠 ネクタイなどの未発見が難点／時計は事後巻いたもの 堀崎課長発表／心外な精神異常説／毅然たる下山総裁 四日の行動は暇つぶし 加賀山氏談／下痢していた夫 お弁当食べないのもそのため 下山夫人談
- 7月28日
- 奇怪な鉄橋付近の血痕 轢断現場を再検討／数年前の血も検出 燐光実験／17名総裁を目撃 現場付近の自動車全部無関係
- 7月29日
- 堤防踏切に人影 現場通過の乗務員二百名を調査／貨物列車の鑑定結果／死体運搬の仮想で実地検証
- 7月30日
- 教授十数氏が批判 きょう下山氏の解剖所見報告／死体運搬？に三、四人
- 7月31日
- 編集手帖／下山総裁？を私は見た 17人の記憶 希望探訪／現われたり、消えたり 眼鏡とネクタイ 決定的証拠にならぬ目撃証言／局所の打撲が致命傷／十一時半ごろ死亡 法医学会で再確認／完全に死後轢断 “PH曲線”初応用の時間測定
- 8月1日
- 時評 都道府県中心の自治体警察を提唱す 杉村章三郎
- 8月3日
- 近く他、自殺断定 下山事件・捜査本部公表を急ぐ
- 8月4日
- 編集手帖／捜査不足を指摘 合同捜査会議 下山事件一ヶ月・警視庁総監初の公式談話 自殺推定は尚早 捜査続行、真相を究明／世論が納得する結論を／検察庁 東京地検馬場次席検事談／警視庁 坂本刑事部長／解剖を尊重、長期捜査／自殺否定／鑑識課 靴底の土と着衣血痕の分析／自殺と考えぬ 精神病学上 東大吉益教授
- 8月5日
- 3対1で他殺説が優勢 下山事件は他殺か自殺か 読者の“カン”にきく 第31回紙上討論／他殺 絶好の殺害場 周密な計画的犯罪 轢断姿勢の故意／自殺 過労から精神異常 環境・余りにも完全犯罪に不適当 他殺を装う計画的自殺
- 8月6日
- 下山氏は自殺ではない 骨相学の判断／下山事件について 警察大学教授 吉川澄一／自殺の根拠薄弱 死因は“窒息死”が至当
- 8月9日
- 下山現場で轢死 解剖奪い合い
- 8月10日
- 下山現場・二つの新事実／廃工場にレインコート 踏み切りで怪しい三人を目撃／総裁と同一A型 枕木と廃工場の血痕
- 8月11日
- つきとめたレインコートの行方 付近の駐在所に保管 空家→小川→下山事件の翌日発見
- 8月31日
- “死後轢断”の東大 法務委員会で論争 中館博士の自殺説反駁
- 12月28日
- 下山事件“他殺”の前進／衣類の油はヌカ油 千住某工場で同質を発見／職場大会を中座 下山氏と面識の某氏／蹴られたショック死 桑島博士営々半歳の鑑定書／うろついたは替玉？ 下帯にまでしみこんでいた油
昭和25年（1950年）
- 1月14日
- 警視庁は知らぬ 両雑誌に奇怪な下山事件報告書
- 2月15日
- 「下山白書」迷宮入り？ 衆院、警視庁幹部を“つるし上げ”
- 3月7日
- 在りし日の温顔その儘 寂しく暮す下山家へ堀田画伯の贈物
- 6月21日
- 下山事件一周年／法医学、他殺を推論、だが影も浮ばぬ容疑者／衣服の油にナゾ残る 血痕指紋の捜査行き詰る／共産党員取調べ 鉄道関係の内偵空し／“犯人検挙まで会わぬ”夫人 全遺族明るい気持ちでがんばる／当局を惑わすウソの告白
- 7月6日
- 社説 下山事件と当局の責任
昭和39年（1964年）
- 6月26日
- エース登板 時効近い三事件の関係者／すべてを忘れたい 沈黙の裏に悲しみ、怒り 下山定彦さん（朝刊）
よみうり寸評（夕刊） - 6月27日
- 下山事件“死因”、他殺と推定 法務省、衆院法務委へ提出（夕刊）
- 7月17日
- 文化人グループ下山事件を“捜査”／松本清張、南原繁氏ら “国民感情が許さぬ”と
昭和44年（1969年）
- 7月5日
- 再燃する？「下山事件」／他殺の疑いとれぬ 南原氏ら訴え／あくまで“自殺” 捜査主任だった関口氏
昭和53年（1978年）
- 4月30日
- 下山事件ナゾの吉田発言／「一朝鮮人の犯行だ」 ダレスと会談のメモ／当時の関係者は否定（朝刊）
平成6年（1994年）
- 9月25日
- [戦後50年にっぽんの軌跡]（13） 下山事件＝上 昭和24年夏（朝刊）
- 9月28日
- [戦後50年にっぽんの軌跡]（14） 下山事件＝下 昭和39年、時効（朝刊）
平成10年（1998年）
- 1月29日
- 鈴木清氏（元警視庁警視）死去（東京夕刊）
平成17年（2005年）
- 9月18日
- [著者来店]「下山事件 最後の証言」の柴田哲孝さん 今も続く歴史の「闇」（朝刊）
平成18年（2006年）
- 5月10日
- 「下山事件」貴重な資料展示 遺族の証言、捜査報告書掲載誌…／東京・足立（朝刊）
- 10月17日
- 坂本智元氏（元中国管区警察局長）死去（東京朝刊）
平成21年（2009年）
- 6月19日
- 訃報 佐藤一氏
- 7月5日
- 下山事件、改めて語る きょう60年（朝刊）
