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東大での解剖

7月6日午後1時頃、警視庁鑑識課の車で五反野から下山氏の死体が東京大学法医学教室に運び込まれました。当日の解剖担当は助手の中野繁氏でしたが、事件の重大性から執刀を辞退し、また、筆頭助手の野田金次郎氏も出張の予定が入っていたため、桑島直樹講師が執刀医、中野氏が助手として下山氏の死体を司法解剖することになりました。解剖は法医学教室の古畑教授、裁判化学教室の秋谷教授、塚元助教授を始め、検察から布施、金沢両検事、警察からは捜査一課関口警部補、鑑識課沢田巡査部長、西新井署大場、鈴木両巡査らの立会いのもと、午後1時40分に開始、約3時間30分後の午後5時12分に終了しました。これは解剖にかかる時間としては通常よりも長く、それだけ綿密に徹底的に検査されたことを意味します。

東京日日新聞7月7日
東大法医学教室に運び込まれる下山氏の死体。昭和24年7月7日付東京日日新聞より。

解剖台
東大法医学教室の解剖台。堂場肇氏著『下山事件の謎を解く』より。

参考文献

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