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『知性への挑戦 青梅事件のすべて』

『知性への挑戦 青梅事件のすべて』、富山和子(著)、昭和41年(1966年)、隣人社

青梅事件というのは、昭和27年2月19日に青梅線小作駅で起きた無人貨車暴走事件が最も被害が大きく有名ですが、厳密に言うと、昭和26年の9月から 10月にかけて起こった3件の比較的小規模な列車妨害事件と、同年12月8日に福生駅で発生した列車脱線事故を含めた一連の列車妨害事件を指します。著者の富山和子氏の主張をめちゃくちゃ端折って要約すると、青梅事件とは国家権力によってでっち上げられた「共産党指導による共同謀議にもとづき計画された一連の政治的犯行」ということになります。三鷹事件や松川事件などと比べると知名度の低いこの事件ですが、逮捕者に共産党員が含まれていたこと、警察の見込み捜査や取調べの酷さ、納得のいかない判決などから、小型松川、第二松川とも呼ばれていたようで、この本の序文を書いているのも松川事件で裁判批判と被告人支援をした広津和郎氏です。本書が出版された2年後の1968年に、青梅事件被告人には全員無罪判決が言い渡されています。

なお、『下山事件全研究』の著者佐藤一氏は青梅事件の被告支援をしていたということです。このサイトの前身のブログでは、「青梅事件被告団長の野崎邦夫氏が獄中にいる佐藤一氏へ手紙を出し、指導を仰いだ事から佐藤氏は松川事件被告団の中で青梅事件担当のような形になり、色々と指導していたようです。」とのコメントもいただきました。

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